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震災メモリアルパーク
   兵庫県神戸市中央区

港町・神戸は、本当に美しい町だ。
青々とした山と、輝く海に挟まれ、歴史的建造物が点在する。

だがかつて、この町を歴史的悲劇が襲った。
1995年、1月17日午前5時46分。
「阪神・淡路大震災」である。
一瞬にして街は崩壊し、瓦礫と化した。


その震災から、早くも9年が経とうとしている。

今回はその震災の傷後を保存している、
「震災メモリアルパーク」を訪ねる。

「メリケンパーク」は、ある意味最も「神戸らしい」スポットだ。
神戸のシンボルである、赤いポートタワーと白い海洋博物館。
空の青とのコントラストが美しい。

そのメリケンパークの東岸に、
「震災メモリアルパーク」はある。


帆船を連想させるようなモニュメントが目を引く。
そう、ここが目的の場所なのだ。

「神戸港震災メモリアルパーク」。

(碑文概略)
「大震災の教訓と港の重要性、そして港の復旧・復興の様子を後世に伝える目的でつくられた」。


お気づきだろうか。
このモニュメント、大震災の時刻「5時46分」を刻むように欠けているのだ。

ここでは、震災当時に崩壊した波止場を、そのまま保存している。

メチャクチャに壊れたコンクリート、傾いた街灯。その被害の大きさを思い知る。

屋外であるが、ここでは震災関連の資料も展示されている。震災前の賑わいや、震災直後の写真。ルミナリエの解説パネルもある。
結構な数があり、全てを見てまわると、かなりの時間がかかるほどだ。

 

そして一番奥では、映像資料も閲覧することができる。ガラスケース内には神戸港のミニチュア模型ががあり、映像の説明に合わせ、該当する場所が光る。
解説もとてもわかり易く、見入ってしまう。

どれも、震災を知らない人にとっては強烈な印象を与えるものだろう。

大震災で、とても沢山の方が亡くなられた。そして各地には、「1.17希望の灯り」をはじめ、その御霊を祀る慰霊碑が点在している。

亡くなった方の霊を慰めるのは、とても大切なことだと思う。しかし私はもうひとつ、そのことと同じぐらい、大切なことがあると思う。

「震災の教訓を忘れないこと」。

震災から9年。街は完全に復旧した。震災の記憶は、確実に「過去のもの」となりつつある。それは喜ぶべきことなのかも知れない。だがもし、それと同時に、震災で得たものも無くして行くとしたら・・・。


この破壊された岸壁は、その忘れかけていた「大切なもの」を、強烈に思い出させてくれる。

夜のとばりが降りはじめる。

傾いた街灯は、もう二度と輝くことはない。
だが、私たちの心に、小さな光を灯してくれる。

「神戸港震災メモリアルパーク」

兵庫県神戸市中央区メリケンパーク東岸

JR元町駅から、南に下った場所にあります。
「希望の灯り」等、他のスポットと合わせて巡ることをお勧めします。