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             <特別編>
エキスポタワー
       大阪府吹田市
「驚愕・・・跡地に出現」


エキスポタワーの廃材を使って作られた美術作品は、
美術家・ヤノベケンジ氏の個展「MEGALOMANIA」で展示された。
作品名「タワー・オブ・ライフ(生命の樹)」。
決して満足できるものではなかったが、
ひとつのエキスポタワー物語の区切りとして、
私はそれを、しっかりと受け止めることにした。

だが・・・。

「MEGALOMANIA」終了からまだ間も無い、10月のある日。
私は、信じられない情報を掲示板で頂いた。

「エキスポタワー跡地に、タワー・オブ・ライフが置かれている」

まさか・・・!!信じられない!!
私はそれを自分の目で確かめるべく、その場所へ向かった。
 


「・・・・。」

あった・・・。

間違いない。
これは「MEGALOMANIA」で展示されていた、「タワー・オブ・ライフ」の外殻だ。

眼前の光景を理解することが出来ず、しばし呆然。

 

なんなんだこれは!!!

 

ヤノベ氏に「タワー・オブ・ライフ」の今後を聞いた時、氏はこう言った。
「この作品を、私の手元に置いておくことはしない」。
そしてこう続けた。

「然るべき場所に寄贈し、
 然るべき形で保存してもらうことにしている」

ふざけるなッ!!これがその「然るべき」ものなのか??

「寄贈」じゃない。これは「廃棄」だ!
「保存」じゃない。これは「野ざらし」だ!

跡地の中心部に置くならまだしも、とても中途半端な場所に、無造作に置かれている「タワー・オブ・ライフ」の外殻。
これに何の意味があるというのか。

「いらなくなったからここに置いた」
そう思えて仕方がない状態である・・・。



(左)「MEGALOMANIA」の時は開いていた入口は塞がれている。 このカバーだけ外側から固定されていた。


(上)エキスポランドの観覧車から。“放置”具合がよく解る・・・。

状況を見る限り、一時的に置いた感じではない。恐らくこれからもしばらく、この場所に置かれ続けるのだろう。

ハッキリ言おう。
「今すぐ撤去してくれ」。

エキスポタワーとしての役割を終え、美術作品の一部となったはずのこの廃材。だが今は美術作品でもなんでもない。廃材パネルを組んだだけの「ぬけ殻」だ。
もの凄く悪い例えだが、打ち首にあった罪人が「さらし首」にあっているような、そんな激しい嫌悪感を覚える。
「未来の夢」だったはずのエキスポタワーの、こんな惨めな姿なんて見たくはない。

賛否両論あるヤノベ氏の作品だが、私はその作風のインパクトに惹かれ、これからも応援していこうと思った。
だが、これだけは許せない。僅か数日前まで、自分の作品の一部だったはずではないのか???それが野ざらしになり、風雨にさらされ、錆び付いていくのは何とも思わないのか???

これがエキスポタワーが行きついた、最後の姿だとすると・・・。
やりきれない・・・。


近々、万博記念機構に、説明を求めるメールを送ろうと思っている。
どんな意図で、こんな状態にしているのか、納得の行く回答を期待する。