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平成28年(2016)
 「開門神事福男選び」

 

 昨年に引き続き“東北版・福男選び”から助っ人を招へいした。岩手県釜石市で行われている「新春 韋駄天競走」の男性31歳以上で優勝した「福男」近江修(おうみ・しゅう)さん。また、韋駄天競走を運営する「釜石応援団」の及川健智(おいかわ・けんじ)さんも駆けつけた。


釜石応援団・及川さん(左)と釜石の福男・近江さん

 2人は神事を通じて参拝客に思いを伝え、開門の際には名誉ある「門押さえ」を担当。見事に東北からの福を授けてくれた。また2人は、参拝客に感謝の気持ちをしたためたカードを配り、神事前には参加者に思いを伝えてくれた。


平成28年の開門担当

  運営の上では、9日・10日が週末と重なったため、クジ引き希望者が予想以上に。多くの人が集まってくれるのはいいが、果たしてこの中で「本気で福男になりたい」という人間はどのくらいいるだろう。


クジ引き受付に並ぶ人たちの列

 また、しつこいぐらいに呼び掛けているのも関わらず「参加心得書」に署名しておらず、クジを引けない者も多くいた。同書は、福男選びが「神事」であることを理解してもらうための重要な書類。内容をしっかり読み、理解するのは最低限のこと。中途半端な気持ちで並ぶのは本当にやめてほしい。

 また、昨年の「脚立事件」を受け、取材マスコミの脚立・三脚の使用が大幅に制限された。神社側だけでなく、映像を見た警察側も危機感を持ったらしく、協力して危険を排除することができた。この制限はしばらく続けられる見込みだ。

 

開門
この年も継続して、参加者に東北との絆のシンボルである「黄色い手袋」が配られた。

 

本殿に飛び込む参加者
大混戦!一番福はどっちだ!

 


福男が決定!
左からニ番福・ 丹羽くん、一番福・水田くん、三番福・松下くん

 

新・福男3人による鏡割り
豪快に飛び散る酒、本殿は歓声に包まれる

 

本殿横で記念撮影
西宮のイベントにはどこからともなく現れるゆるキャラ「福耳ふくちゃん」(左)と、西宮市の公認キャラ「みやたん」もちゃっかり来ている。

 


2月の「福」もちつき」に参加した一番福・水田くん(左)と三番福・松下くん

 この年も福男は全て初顏。また、年間を通じて色んな行事に参加してくれた。特に一番福・水田くんは、福もちつき、女川遠征、秋の西宮まつりと、しっかりと福男の役目を果たしてくれた。各所からお声が掛かったためか、西宮まつりの直会(なおらい)でスピーチを求められた際には「もう、慣れました」との言葉が。

 さて。

 神事を通じて、新たな取り組みを始めた。「メッセージカード」。神事を通じて東北の被災地と繋がることができたが、これを「神社」と「東北」ではなく、「関西の人たち」と「東北の人たち」にできないか…との考えからだ。


「メッセージカード」を書いてくれる子供たち

 具体的には、神社の参拝客に呼びかけ、名刺サイズのカードに自由に書いてもらう。東北のイベントで黄色い手袋を提供する際、一緒にこのカードを添えて渡す…というものだ。これが予想以上に喜んでもらえ、女川では小さめの寄せ書き旗を持参、参加者にお返しのメッセージを書いてもらった。この旗は後日、カード作成に協力してくれた中学校に寄贈された。

 せっかく繋がった絆を、これからも大切にしたい。


釜石「韋駄天競走」を支援

 2月には2度目となる、岩手県釜石市「韋駄天競走」を支援。一部の部門でスターターをさせていただいた。運営している「釜石応援団」の皆さんの仕事ぶりには、本当に頭が下がる。規模は“本家”と比べるべくもないが、彼らの姿は刺激になる。

 夜には駅前の商店街にも足しげく通い、多くの人と交流した。昨年寄贈した「福男手ぬぐい」を壁に貼ってくれている店もあり感激。


ある店の壁に貼られていた福男選びグッズ

 まだ各所には津波の爪痕も残るが、町全体に活気があり、何より人々の表情が明るい。確実に復興へと歩んでいることを実感した。


「女川復幸男」スタート前。多くの人が集まった

 3月には、宮城県女川町「女川復幸男」に。こちらでもスターターをさせていただいた。イベント終了後の表彰式では、恒例?となる言葉…。

 「女川の皆さん、愛してま〜〜す!!」

 …を絶叫。これまで過去2年、観客が引くのを感じたのだが、なぜかこの年は大ウケ。市長さんはじめ関係者から「ありがとう!」と握手攻めにあい、なんだか複雑。


「女川さいがいFM」を通じて、女川の皆さんに感謝を伝えた

 閉局が決まっていた「女川さいがいFM」の最後の生放送にゲストとして出演させていただいた。高校生パーソナリティーと絡むということでどうなるか不安爆発だったが、若い人たちが巧みにリードしてくれ、伝えたい言葉も伝えることができた。初めて女川に来た時から、女川が誇りにしているこのFM局を通じて、感謝の言葉を伝えることはできないか…と考えていた。最後の最後にそれを実現することができ、感無量であった。

 

平成28年 福男選び結果
一番福
水田 道成 (みずた みちなり)
二番福

丹羽 孝之 (にわ たかゆき)

三番福
松下 彰太 (まつした しょうた)

 

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