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平成25年(2013年)
 「開門神事福男選び」

 

 開門前、開門を担当したメンバーで記念撮影。あまり知られていないようだが…参加者に「福」が届くようにと、開門担当に福男を積極的に登用している。今回は09年二番福・大迫純司郎くん、12年三番福・西慶祐くん、複数回一番福・吉田光一郎、一応私・平尾も一応かつての福男なので、計4人の福男が開門に参加したことになる。


開門を担当した9人で記念撮影

 開門フォーメーションも初めて9人体制を採用。入念に練習を繰り返し、史上最も美しい開門になったと勝手に思っている。開門シーンは今や世界中に配信されている。どうすれば開門がカッコ良く決まるか、今後とも試行錯誤を続けていきたい。

 

 

開門直後
この年も東北の被災地にエールを送るため、参加者に黄色い手袋をつけてもらった。

 

福男道の出口付近。先頭は赤い服の男性

 

リードを守り切って一番福!本殿でガッツポーズ

 

副賞を掲げる3人の新たな福男

 

 

福男が決定、報道陣に囲まれる
左から三番福・池野さん、一番福・土井くん、二番福・吉村くん

 

 史上最年少と最年長の福男が誕生した。

 一番福・土井雄登(どい・ゆうと)くんは尼崎市の高校3年生で18歳。記録に残っている限りでは最年少の福男だ。現在、福男になれば副賞として酒が贈呈される。まだ未成年の人間に渡すのはどうか、という声もあったようだが、それとこれとは別問題。変更されることなく、当初の予定通りに副賞も渡された。土井くんは神事後、すぐに登校しなければならなかったが、一部マスコミは学校までついていくという取材を敢行していたようだ。


一番福の土井くん。奥は三番福の池野さん

 三番福になった池野昌弘(いけの・まさひろ)さんは48歳の高校教諭で、同じく最年長の福男となった。体育の教師とはいえ、体力的に衰えがあっても仕方がない年齢。それでも見事に福男の栄誉に輝いた。近年は神事の激しさがクローズアップされつつあり、実際に危険も伴う。クジ引きの際も、子どもや身体的に不安のある方はご遠慮願っている。しかし本来は福男に年齢制限はないはずで、池野さんはその“原点”を体現した形となった。

 また池野さんは神事後も多忙な中、西宮神社の祭事にも参加。しっかりと福男の“義務”を果たしてくれた。


9月23日、西宮まつり「渡御祭」に参加してくれた池野さん

 二番福は吉村健太郎(よしむら・けんたろう)くん。新記録となった2人に隠れてしまう形となったが、しっかりと福男の役割を果たすべく、周囲に「福」を振りまいてほしい!


鏡割りの際、報道陣と参拝者らに囲まれる福男

 神事後、面白いことが起きた。1番福・土井くんがテレビ出演した際に、ツイッターをやっていることを告白した瞬間からアカウントのフォロー数が急増。中・高校生ら若者が多く、コメントには「福を分けて欲しい」「福男にあやかろう」との文字が並んだ。

 福男と何らかの“繋がり”を持つことで「福」を分けてもらう――。これまでも神事後、参拝客が福男に握手を求めたり、背中をさすってもらうシーンを見かけてきた。しかし、ツイッターをフォローして「福」を求める、というのは聞いたことがなかった。これも時代が変化したことによる、新しい福男のカタチなのかもしれない。


鏡割りの際、参拝客に囲まれる福男

 

  開門神事講社は、昨年に引き続き東日本大震災の復興支援を目的として、開門神事のチャリティーグッズを販売した。


福男法被デザインの「福男手ぬぐい」

 昨年の「一番福木札ストラップ」は継続販売し、さらに新グッズとして「福男手ぬぐい」を制作した。「福男手ぬぐい」は、福男に贈呈される黄色い法被のデザインをそのまま落とした、いわば福男法被レプリカ。手ぬぐいとしての使用はもちろん、タペストリーのように壁に飾り、吉兆物としても使用できる。素材や顔料も国産のものを使用したためコストはかかったが、本当に良いものができたと思う。

 今年は70万2000円を被災地へ送ることができた。協力して下さった皆さん、本当にありがとうございました。

 

 今回は新たな試みとして、クジ引き受付の際に初めて「喫煙所」を設けた。受動喫煙の問題もあり、世の中は禁煙・分煙が進んでいる。開門神事もその流れをくんだ形だ。実際、非喫煙者からの「何とかならないか」との言葉もあったのは事実。そもそもあれだけの人間が集まっている中、何も考えずにタバコをふかす人間がいることが驚きだが…。


分煙実施は新聞でも取り上げられた

 完全禁煙案も出る中「とりあえずやってみよう」と設置した喫煙所だが、それなりに効果はあった模様。受動喫煙を防止すると同時に、路上へのポイ捨ても減った。福男選びは神社の外部もお借りしないと実施できない。参加者、周辺住民、神事に少しでも関わる人々に「よい神事だった」と言ってもらえるよう、改善案を考えていく必要がある。

 

  毎度のことであるが、残念だったのは一部マスコミの取材姿勢。事前に何度も「○○はやめてください」と通知していたにも関わらず、平然とそれを無視して撮影していた。特に近年は、各局で若いキャスターなどを体験参加させる企画が増えており、そのキャスターを撮ろうとカメラがズカズカと取材禁止エリアに入り込んでくる。

開門待ちの参加者たち

 いいかげん言い疲れてきたが、参加者も「神事に参加する」ということが頭にない人間が多すぎる。ひとつの例だが、お笑い芸人が経営している飲食店のスタッフたち。大きな看板を持ってクジ引きの列に並んでいた。テレビに映れば宣伝になる…という考えだろうが、相手にするのもアホらしくなってきた。

 クジ引きの受付時に「服装チェック」を行っているが、元々は「全力疾走できる、神事に相応しい服装か」をチェックすると同時に「神事に参加する心構え」を探る場でもある。ふざけた態度で来た人間に対し、もっと厳しく接することも考えなくてはならないのか…。

 

平成25年 福男選び結果
一番福
土井 雄登 (どい ゆうと)
二番福

吉村 健太郎 (よしむら けんたろう)

三番福
池野 昌弘(いけの まさひろ)

 

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