平成23年(2011年) 「開門神事福男選び」 |
この年の開門神事は、例年には考えられないくらいに早くから、周辺が騒がしかった。まだ神事まで数カ月あるという状況で、某新聞社が大げさに「コースの変化」を報道。 「祈祷殿(きとうでん)が完成したことにより、社務所前のコーナーがより鋭角に。福男への道はさらに難しく」 この報道に、他社も“後追い”。開門神事の報道は、このコーナーの変化を大きく押し出すものばかりだった。
正直、報道されているよりも変化はなく、画像のように「明らかに変わった」という感じもない。だが、大げさすぎる各社の報道に、警察までもが動き出すことに…。 前回の神事の流れを踏襲し、位置決めのクジ引を引けるのは「先着1500人限定」。やはり定員に達したのは締め切り時刻(10日午前0時)の直前。大きな混乱もなかった。 |
開門直後 |
ダッシュする参加者たち |
1番福! |
福男が決定 |
副賞を手に |
鏡割り |
事前にあれほど騒いでいた「コース変化」。神事当日の報道も、その変化をまず取り上げるものが多かった。しかし実は、その問題は、神事の前に完全に収束していた。 コーナー変化は、せっかくなので私が発行している新聞「福男新報」でも取り上げた。名づけて「アーメン・コーナー」。祈祷殿ができたことによるものなので…という名づけ理由だった。周囲からは「ちょっとその名前はヤバいんでは…」との声も聞かれたが…。 ところが神事の数日前、現地で見た光景に目を疑った。
これまでよりも鋭角になったはずのコーナーの内側に木の板が張られ、かえって「コーナーがゆるやかになっている」。角を曲がって、急に眼前に現れるはずの「審判のクスノキ」が、直線の出口から余裕で確認できるのだ。 これには実は、警察が関わっていた。各社の報道を見て不安になった警察側が「あのコーナーをなんとかしろ」と指導し、それを受ける形で神社側が対策を取ったのだ。ちなみに神事当日、クスノキにクッションが巻かれていたのも警察の指導である。…ちょっと過保護すぎやしないか? 何はともあれ拍子抜け。私はこのコーナーを「大山鳴動してネズミ一匹」のことわざ転じて「ミッキー・コーナー」と名づけようとしたが、さすがにバカバカしくて自粛したのであった。
|
|
大きな問題なく終わったように思えたが、細かい問題はやはり多く見られた。その1つがマスコミ。過熱する報道、それに伴う強引な取材。運営側とマスコミが衝突する場面も。 今年は、完全な「サービス」として、開門神事の位置決めを歩道側で行い、マスコミに公開。流れを阻害することになるため、絶対に柵越しでの参加者へのインタビューは行わない、という約束で実施したのだが…。その約束は簡単に破られてしまった。
運営側の目を盗み、柵越しインタビューを強行する社が続出。 柵越しのインタビュー→見つけた運営側が注意→また目を盗んでインタビュー…のイタチごっこ。それにより、全く関係ない者まで柵の中に入ろうとする事態も起きた。残念ながら、恐らく次回からは、位置決めは非公開となるだろう。 この数年、神事が休日と重なったこともあり、参加者も多かった。2012年は9日が祝日、10日が平日という日程。これが神事にどういう影響を及ぼすのか、当日になってみないと分からない。 それでも、我々は全ての人の「福」のために、まい進していかねばならない。 |
平成23年 福男選び結果 |
|
一番福 |
竹本 陵平 (たけもと りょうへい) |
二番福 |
大越 啓迪 (おおこし ひろみち) |
三番福 |
外山 哲 (とやま てつ) |
8