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「福男向上委員会(仮)平成15年度「福男選び」について
マスコミ報道の
問題
〜取材による神事への支障〜

 

コラム「NHKを呼び戻せ!」でも少し書いたが、「福男選び」はマスコミによって育てられたと言ってもいい神事だ。特にここ近年はその勝負性・ドラマ性から各マスコミの報道は加熱する一方である。
マスコミ報道により、「福男選び」の知名度の向上、そして参加者が増加するのは喜ばしい。だがそれと同時に、マナーの悪い参加者の増加や、競争の混乱を招いてきたのも事実。

そしてマスコミ報道・・・特にテレビでの取材・取り上げられ方により、神事に支障が出始めている。ここでは平成15年度の「福男選び」において、特に気になったことを2つ取り上げる。

 


脚立により次々に転倒する参加者。脚立がはっきりと映されている。
1.危険な位置での撮影  

まず、これは毎年のことではあるが、開門直前の参加者の中にカメラが入ってくる。今年も例に洩れずそのような場面があった。
パターンとしては、アナウンサーとカメラマンが向かって右端から進入し、参加者の列に無理やり突入→最前列の参加者にインタビュー。
ただでさえ参加者でギュウギュウの門前に、数人が入ってくるだけでも大変だ。それどころかテレビカメラはとても大きく、頭をぶつけかけた参加者も。またテレビカメラの登場は、参加者の興奮を誘い、混乱を招く。
アナウンサーは、
「興奮と熱気で、大変なことになっています!」
と叫んでいたが、自分がその原因となっていることには気づいていまい。
こういった「突撃取材」は大変危険である。取材側のモラルが求められる。

そして今回、大事故に繋がりかねないようなことが起こった。
なんと沿道に脚立を設置し、カメラマンが撮影していたのである!多くの参加者がそれが原因で転倒し、後続もそれにまきこまれて非常に危険な状況に陥った。

その時の混乱の様子がTVで流されていた。左の連続写真を見て欲しい。次々と転倒する参加者、そして最後のコマの左下に、問題の脚立がはっきりと映されている。その時の危険さが解ってもらえると思う。

「参加者は参道をを走るのだから、沿道は安全」・・・とでも思ったのだろうか。
あの幅の参道に、一気に2000人規模の人間がなだれ込むのである。参道・沿道は関係ない。マスコミの認識不足と配慮不足。一歩間違えれば大事故にも繋がりかねないことであった。

今回のことを踏まえ、神社側はマスコミ報道に対して強い注意を行うべきである。また、開門前には今回のように危険な位置で撮影していないか、必ずチェックして欲しい。

 

(左)今回の脚立問題に関する衝撃の画像。

画像中央・下に問題の脚立が映っている。そのそばにカメラマン。脚立はこのカメラマンの使用していたものか?

この時、脚立に躓き、次々と参加者が転倒している。かなり危険な状態にも関わらず、カメラマンは脚立をどかそうともせず、のうのうと撮影を続けている。ここまで来ると呆れてしまう。

安全のための事前注意、そしてマスコミのモラルが求められる。

 

2.「誤った報道」は混乱を招く

平成15年度「福男選び」が終了した日、各テレビニュースでその模様が放送された。その中に、「ニュース報道」としてではなく、様々な面にスポットを当てた「特集」を組んでいた局もあった。
それはそれでいいのだが・・・。
番組内で紹介されていた「福男選びの暗黙のルール」。
その内容は・・・。

1.一番に来た者が整理券を配る
2.午前0時の開門後、門の前に各自ダンボールを置き、立つ位置を決める

というものだった。
2番は大まかにはその通りだが、整理券配布というのは、何年も連続して参加している参加者が、自主的に配布していたものだ。来た順番でトラブルが無いように始めた「苦肉の策」である。なのにいきなり「暗黙のルール」とされてしまうと困る。なぜなら誤った報道であっても、視聴者にすれば「テレビで報道=公式なルール」と捉えられてしまう危険性があるからだ。
誤った情報が広まれば、大きな混乱をまねく可能性がある。
ただでさえ参加者が増えつつあり、神社側に「整理券配布」のルールを求めている時である。

近年になって、参加者が門前に来るのが極端に早まったのは、某テレビ報道で「2〜3日前から待っている」という誤った情報が流れたからだと言われている。

情報を流す際は、ちゃんと裏付けを取った上、慎重に発言することをお願いしたい。

マスコミは「いい絵が撮りたい」の一心で撮影しに来るのだし、マスコミの露出は「福男選び」には欠かせない要因だ。
あくまで「神事」であることを踏まえ、神社側からはマスコミに対する事前説明をして欲しい。
また参加者も、テレビカメラが入って混乱するのではなく、冷静に対処する余裕を持つことが大切だ。

 

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