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 彼らは本当に“暴徒”だったのか

 

 

 まず初めに、次の文章を見てもらいたい。
 (冒頭の名前部分のみ「○○○」に変えているが、その他の文章は全て原文のまま)

はじめまして、○○○といいます。
私は今日、福男になろうとしたものです。
が、もう帰宅しています。
それはなぜか、と言いますとこの行事、今年は完全に消防署員が仕切ってます。
勝手に順番の帳簿作ったり・・・
100人までとか言ってるけど、若い番号なんてほとんど消防署員ですよ。
私自身は、本来あんなやり方は間違ってると思います。
12時の閉門時点で順番を競うから面白いんでしょう。
何日も前から待ってたという根性は認めますが。
そのことについても怪しいもんです。なぜなら私が8日の深夜(正確には9日午前)に
門前へ偵察に行ったときには待ってる人など全く見あたりませんでした。
それで友達がまた文句を言ったんですね。
「どう考えてもおれらの方が先に来てただろ?」って。
そうしたら、その番号札を配布している男が友達の目の前に来て、
友達が胸倉を掴まれて引き起こされました。
「殺されてーのか?ルールもわからんような奴が来るんじゃねーよ」と脅してきました。
そして、友達が「だったらお前らが先に順番を守れよ」と言いました。
そうしたら、その男は体格がよくて、力も強そうだったので、
友達をグイッと押しつけて投げ飛ばして、友達は背中から後ろに倒れました。
友達はその男に反抗しようとしてたのですが、
ヤクザを相手に喧嘩をしても後々面倒な事になるし、
友達は喧嘩が強いわけでもないし、
どうせ次は男は刃物を出してくるんだろうと思い、
正月から揉め事を起こすのはやめとけよって
私は友達を止めました。
そうしたら、その後はその男達はずーっとこっちを見てニヤニヤしてるんです。
ヘラヘラ笑ってたり。私は平気だったのですが、
友達の気持ちを考えると、その場に居続けるのが可哀相で、
一緒に帰る事にしました。
まわりの一般の若い人達は友達を励ましてくれたり、
笑わそうとしてくれてたりしたのですが、ありがとうまたね。ってお別れしました。
帰り際、後ろで青いジャンパーの男達は、大爆笑しているようでした。
なんかこんな下らないイベントに友達を誘ってしまって、
本当に申し訳無いと思っています。
その時はヤクザだと思っていました。
やってることが自己中心的で、めちゃくちゃだったし。
でも違ったんですね。
表現が大袈裟になってしまってるところはあるかもしれませんが、
友達は警察には書いた通りに話すと思います。友達はここまでの騒ぎになってることも知りません。
ヤクザではなかったってことをさっきメールしました。
被害届も何も、自分が直接の被害に遭ったわけではないので、
友達の付き添いとして、警察に訴えるつもりです。
自分もかなり腹が立ったので、逮捕とか本当にして欲しいし。
では明日警察に連れてきます。
警察署内でしか撮れない写真を張りつければ信じてもらえるでしょうか。
携帯のカメラ撮影は大丈夫なのかな。

 インターネットの各所で流れたものである。実はこの文章、元の出どころは私のHPの掲示板なのだ。2004年の「福男選び」が終了した後、1月10日の昼頃に、当HPの旧掲示板に書き込まれた。

 だが、ここで断言しよう。この文章の大部分は「捏造(ねつぞう)」である。私の掲示板に書かれたものは、前半部分のみである。ちゃんと手元にログが残っているので間違いない。後半の青文字の部分は、誰かがあとからつけ加えたものだ。少し注意して読めば、直前の「〜全く見あたりませんでした。」から、次行の「それで友達が〜」の文章の繋がりがおかしいことに気づく。
彼らを意図的に中傷しようとする、悪質なものである。

 ズバリ、あの福男選びの時、彼らによる暴力行為は「無かった」。報道映像を見てもわかるように、彼らが気のはやる参加者に対して、大声を出してたしなめる場面はあった。その場面だけを見ると、彼らが横暴に振舞っていたかのような印象を受ける。だが、実際に現場に居た人間からすると、そんなこと(暴力行為)は「ありえない」。もしそのようなことがあれば、即座に騒動になっていただろう。

 だが今回の騒動、「話の真偽なんかどーでもいい、とりあえず叩いてやれ」という感じの人間も、残念ながら存在した。そんな輩の存在が、今回の騒動を複雑化させた要因のひとつだろう。

  また今回の報道で、何度も流されたのが、彼らのグループのひとりが、拡声器で「お前らちゃんとしろやゴラァー!」と、参加者に怒鳴っているシーンであった。この映像で「あのグループは他の参加者を脅して、思うがままに振る舞った」との認識が蔓延してしまった。

 出走前など、彼らは確かに、他の参加者へ怒鳴るシーンもあった。参加者の中には、それを良く思わなかった人もいるだろう。だが、あの今にも暴動が起きそうな興奮状態の中で、ああやって怒鳴ることでしか、その場を鎮めることができたのも事実なのだ。開門直後の「妨害行為」は非難されるのは仕方ないかも知れない。だが、彼らは決して暴力を振るったりはしていない。

 今回の騒動が最も加熱していた時にも、私は「彼らによる暴力行為は無かった」という発言をした。ところがそのとたん、
「なんだ、お前はあいつらを擁護するのか!」
 と、なぜか私が非難された。わけわからん。本当にあったことに対し、怒りの声を上げるか否かはそれぞれ個人に任せる。だが、全く誰が作ったかもわからない話が真実として扱われ、それにより非難が広がるのは絶対にあってはならない。