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「ルミナリエ」との出会い

 

今日は、平成13年12月12日。
本日から神戸で、毎年恒例となっている「神戸ルミナリエ」が開催される。
ルミナリエには、何度か行ったことがある。
本当に簡単な表現になるけど、スゴイ。素晴らしい。
幾重にも重なる光のアーチを見ていると、吸い込まれそうになる。

私が初めてルミナリエを見た時を思い出す。
最初のルミナリエが開催された1997年当時、私は神戸の大学に通っていた。
だが、入学当初から色々なギャップに苦しみ、
大学2回生の時、思いきって京都の大学の編入試験を受けた。
誰にも、知らせずに…。
合格するはず無いと思っていたら、なんと合格。
来年から、京都の大学に通う事になったのである。

本来ならもろ手を挙げて喜ぶところだが、
私はものすごい罪悪感に襲われていた。
当時在籍していた大学の陸上部は、少数部員の弱小クラブ。
私が抜けただけで、リレー競技に出場できなくなるのだ。
ある意味、私の取った行動は「裏切り」なのだ

いつ、どこで、どんな風に、陸上部のみんなに告げたらいいのだろう。
そしてその事を、みんなは受け入れてくれるだろうか。
私は本当に悩んだ。

そんな中、陸上部の忘年会が行われた。
みんな飲み、陽気に騒ぐ中、私だけはどうしても沈んだままだった。
それどころか、飲めば飲むほど悲しくなって
その後、あまり覚えていない。
思えば、「酒に飲まれた」のは、この時が初めてだったように思う。
覚えているのは、あまりに悔しくて、トイレの壁を殴ったこと。
そして、先輩に向かって、
すいません、すいません
と、泣きながら繰り返していたことだった

忘年会が解散となったあと、私は神戸の街をさまようように歩いた。
重い足を引きずりながら、行くあてもなく歩いていた。

そんな時、偶然本当に偶然、ルミナリエ会場に辿りついたのである。
当時は、初開催の年、ルミナリエはそんなにメジャーなものでは無かった。
新聞等で、名前ぐらいは聞いていたが

酔いが完全に覚めていなかったのもあるだろう。
あまりの美しさに、涙が止まらなかった。
目にいっぱいの涙を浮かべて、一人でルミナリエの輝きを見上げていた。

それが、私とルミナリエの出会い。

この時期になると、あの時の惨めな気持ちを思い出す。
ルミナリエは私にとって、自分自身の「心の弱さ」の象徴なのだ。
今年も、ルミナリエの季節がやってきた。
一昨年も去年も行けなかったから、今年は行ってみよう。
そして自分の「心の弱さ」を、もう一度
胸に刻もう。

(2001年12月12日)

 

 

 

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