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フォークダンスよ、永遠なれ!

 

秋、深まり…。
各地の学校では、運動会(もしくは体育大会)が催されているようだ。
皆さんは「運動会」と聞いて、何を思い出すだろうか?
かけっこ?玉入れ?パン食い競争?…、
人それぞれに色んな思い出があるだろう。

そして、私にとっての運動会の思い出とは…、

フォークダンス」。

男女が手を繋いで踊るアレである。

私の高校は、グラウンドが狭かった。
それゆえ、全校生徒が一斉に踊るだけのスペースが無く、
体育大会でのフォークダンスは、最高学年である、三年生だけの特権とされていた。
三年生が踊る間、一・二年生は、
先輩達を羨望の眼差しで見つめるしか無いのだ。
もちろん、私もその一人だった。

私が高校三年になった時、どれだけフォークダンスが楽しみだったか!
もはや、私の高校内では、フォークダンスは神聖化されていたのだ。
ところが…選曲に問題アリ。
毎年、先生方が流行曲からチョイスするのだが、
なんと私達の年のフォークダンス曲は、TUBEの「恋してムーチョ」!
解る人には解ると思うが、とってもアップテンポな曲で、
少なくともフォークダンスの曲とは思えない曲である。
だが、誰もそれに異論を唱える者は居なかった。
我が校でのフォークダンスとは、そういうものだったのである。

実はその当時、私には意中の子が居た。
仮に「Sちゃん」としておこう。
Sちゃんは、同じ生徒会だった子。
生徒会長をしていた私を、いつも助けてくれた子だった。
正直、他の女の子なんてど〜でも良かった!
(他の女の子も、私なんかど〜でも良かっただろうけど)
私はSちゃんと手を繋ぐことが出きれば、それで良かったのだ。
だが、神様はあくまで意地悪…。
そのフォークダンスではパートナーチェンジの時、
男女が手のひらを軽くタッチしながら、何人かとすれ違い、
そして次のパートナーと手を繋ぐことになっていた。
Sちゃんはその「何人か」の中にいたのだ。
計算上、私とSちゃんは手を繋ぐことは出来ず、
ただ、手を「ぽん!」ってタッチするだけだったのだ…。

私は、運命を呪った。

ところが! 本番に信じられない事が起こったのである。
Sちゃんとすれ違う時だ!
他の子はぽん、ぽん、ぽん、って手を触れるだけなのに、
Sちゃんだけ…、一瞬だけ握手するように、
きゅっ!と私の手を、軽く握ってくれたのだ。
…ウソ!マジ?
ほんの一瞬の出来事だったけど、あんなに感動したのは初めてだった。
すごく嬉しくて、すごく恥ずかしくて、
耳まで真っ赤になって、残りの時間を踊ったのを覚えている。

聞けば、フォークダンスを廃止する学校も出てきているらしい。
確かに、今や、中学生で性体験…も珍しくない世の中。
男女が手を繋ぎ、真っ赤になって踊る…なんて、 もう時代遅れなのかも知れない。
でも!!!私は高らかに言いたい!
「フォークダンスよ、永遠なれ!」
先生方、決してフォークダンスを無くさないで欲しい。
男女が、手と手を触れ合い、曲に合わせて踊る。
それは、あらゆる全てのものを超えた「何か」であると思う。
こんな時代だから無くすのじゃなく、
こんな時代だからこそ続けて欲しいのだ。

「恋してムーチョ」を聴くたび、思い出す。
どこまでも青く澄んだ空、少し冷たい秋の風、
そして…Sちゃんとの思い出。
これからいくら歳を重ねて行っても、
この思い出だけは、決して色あせることはないだろう。

フォークダンスよ、永遠なれ!!!!

(平成15年10月18日)

 

 

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